王都の北、人里離れた鬱蒼とした森林の近くで休憩してたら、驚くほど綺麗な少女を見かけた。 ボロボロのケープを羽織ってるのに、立ち居振る舞いが王族か何かみたいに優雅で。手には使い古された歴史書を持ってて、食事も行儀よく保存食を食べてたんだ。追っ手から逃げてるような緊迫感があるのに、一族の形見らしいペンダントを握りしめて祈る姿が切なすぎて……。これ、どういう身分の人なんだ?
いや、貴族があんな粗末な保存食を食うか? 普通ならもっと良いものを持っているはずだが。
返信 旅の商人: 逃亡生活なんだから贅沢なんてできるわけないだろ。それが一番リアルじゃないか。
そのドレスの紋章、昔没落したあの名門のものじゃないか?
返信 通りすがり: 間違いない、王都の貴族街で見たことがある紋章だ。あの家はもう残っていないはずだけど。
近くに寄っただけで空気が張り詰めてるのが分かったんだ。雷の音がした時、少しだけ肩を震わせていたよ。
目線がどこに向いてるのか気になる。誰かを探してる目じゃないか?
何が目的でそこにいるんだ? 辺境へ向かってるのか、それとも別の場所?
あの人、じゃない? 姿がそっくりすぎる。
夜中にあんな森の奥にいるのを見た人が他にもいる。常に何かに怯えてるみたいで、誰も近づけない雰囲気だよ。
追っ手が近いって噂の地域だよ。もしそうなら、命を狙われてるってこと?