深夜の麻布十番。某高級タワマンの入り口で、漆黒の三揃いスーツを着た男がずぶ濡れで立ってた。雨に打たれてるのに傘も差さず、ただ指先を執拗にハンカチで拭ってて。あの冷徹な目つき、普通の人じゃない。近くにいたタクシーの運転手も何だか怖がって近寄ろうとしなかった。誰かあの人、見かけた人いない?
えっ、ただの警備員じゃないの?昼間見かけた時はもっと紳士的だったけど。
返信 通りすがりの会社員: 表の顔は完璧な執事スタイルだからね。裏を知ってる奴らからすれば、あの革手袋の中身を想像するだけで震える。
ああ、あの人か。いつも深夜に首都高の方へスポーツカーを飛ばしてるの見るわ。何というか、殺気?みたいなのが凄くて声かけられないよね。
返信 港区の住人: それ、桐生グループのボディガードのやつじゃない?噂で聞いたことある。
情報バラバラすぎ。結局、彼が何をしたかったのかは本人に聞かないと分からなくない?
何だかんだ言って、彼が誰を待ってたのかだけが気になる。あんな冷たい男が人を待つことなんてあるの?
あの立ち姿、訓練された格闘家のそれだぞ。安易に近づくと目をつけられる。
顔がめちゃくちゃ綺麗だったんだけど、何で深夜にあんな場所にいたの?待ち合わせ?
指先を拭ってたってのは、もしかして……掃除の後だったんじゃ……?
桐生ホールディングスの「漆黒の狂犬」こと だよ。関わらないほうが身のため。裏社会では知らない人がいないレベルの清掃屋だよ。