誰も引き受けなかった護送任務を、私が受けた。 文書上の理由は『騎士の職務』で足りる。 けれど本当は、それだけではない。 あの人が落選者と呼ばれた時、泣きもせず、誰も責めず、ただ指先だけを強く握っていた。 その瞬間、この国の神託というものがひどく滑稽に見えた。 明朝、帰還の門が開く。 私は送るべきだ。 それなのに今夜だけは、門など開かなければいいと思っている。