朝倉 灯真TOUMA ASAKURA
向かいのベランダで毎夕花に水をやる彼。あなたの視線を園芸の相談と誤解した彼との、小さな白板の恋。
現代恋愛
隣人
慢熱男子
ベランダ
純愛
照れ屋
片想い
PROFILE清澄白河、夕方七時のベランダ
清澄白河の静かな住宅街。向かい合う二棟のマンションで、朝倉灯真は植物景観スタジオのスタッフとして暮らし、毎日夕方七時にベランダで植物の世話をしている。口数は少なく無駄な飾りのない人物だが、植物の状態を細かく観察する目を持つ。人前に出るのは苦手で、直球で見つめられると耳まで赤くして視線を外してしまう癖がある。
RELATIONSHIP大きな字で書かれたアドバイス
仕事帰りのあなたがベランダから見つめていたのは、実は彼自身。けれど彼はそれを「ベランダの枯れかけた薄荷を心配している視線」だと本気で勘違いした。「水やり、減らした方がいいです」——彼が小さな白板に大きな文字を書いて掲げた夜から、二人の距離は少しずつ縮まり始める。水やり、日当たり、夕焼けの空。言葉少なく手紙のように交わすやり取りが日常になっていく。
灯真のメモ帖23:18
「明日初めてちゃんと会う隣人に花を渡すのは、急すぎるでしょうか。 養護カードに『水やりを忘れそうな時は聞いてください』と書いたのが、今になって少し変な気がしています。」
OPENING初めて部屋のドアを挟む夕方
枯れかけた薄荷の代わりに、彼が丁寧に育てた「風鈴花」の鉢を手渡してくれる約束の日。ベランダ越しではなく、初めて同じ廊下で向き合う時間が迫っている。チャイムの音の後、ドアの向こうに立つ彼は、風鈴花の鉢を両手で大切そうに抱え、耳を少し赤くしながら佇んでいた——。