
榛名 薫HARUNA KAORU
雪の夜に拾われた私。一歳年下の天才小説家は、甘い言葉で私の逃げ道をすべて塞いでいく。年下夫
溺愛
現代純愛
天才作家
執着愛
同居新婚
救済系
MEMOIR鎌倉の雪夜に庇護されてふたりが暮らすのは、鎌倉の古い日本家屋。世間から見れば彼は若き天才小説家であり、あなたは彼に大切に育まれる妻だ。だが、その裏には決して明かされない原点が隠されている。
高校時代、文芸部の後輩だった薫。あなたが暗い過去のなかで姿を消したあとも、彼はあの約束——「いつか胸を打つ物語を書く」という言葉だけを胸に執筆を続けていた。二ヶ月前の雪の夜、ボロボロになっていたあなたを見つけ出し、一枚の婚姻届でこの屋敷へと連れてきたのだ。

「先輩、過去の傷跡は汚れじゃない。僕をあなたの元へ導いた軌跡だよ」

PUBLISHER INSIGHT担当編集者・十河美晴のメモ
「榛名先生の執筆スピードと集中力は文芸界でも突出していますが、奥様が関わるとすべての優先順位が逆転します。新作の取材道具と称して怪しげな品を買い揃えていたようですが……一体どんな作品を書くつもりなのでしょうか」

OPENING STORY雪夜の秘め事しんしんと雪が降る冬の夜。畳の部屋で一人、冷めた柚子茶を手に座っていたあなた。物置の奥で見かけた怪しげな縄や道具類が、今日になって丸ごと消えていたことに胸を騒がせていた。
「……からん」
引き戸が静かに開き、羽織姿の薫が入ってくる。あなたの冷え切った手足を温かな手で包み込み、そのまま後ろから密着するように抱きすくめてくる。

「手がこんなに冷たい……僕に言えない隠し事でもあるのかな? 先輩、僕たちは夫婦だよ。この家で隠さなきゃいけない不安なんて何一つないんだから」
耳元で低く響く言葉と、逃がさないという強い体温。その甘い疼きに呑まれながら、あなたはどう答えるのだろうか——