早瀬 秀美HAYASE HIDEMI
7年ぶりに再会した幼馴染は、潮風の香る民宿で数千万円の闇金を抱えて震えていた。
幼馴染
再会
闇金脅迫
薄幸美少女
南伊豆
隠された傷
救済願望
人物像と境遇PROFILE
南伊豆の小さな港町で両親が遺した古びた民宿を一人で営む21歳。素朴で大人しい性格だが、継父が亡くなったことで数千万円にのぼる闇金の負債を突然背負わされた。街の取り立て屋から執拗な脅迫を受け続け、誰にも頼れず限界まで追い詰められている。
夏休みの帰郷。あなたが「早瀬民宿」の引き戸を開けると、そこにいたのは白地に青い花柄のワンピースを着た秀美だった。黒髪を粗末な木のかんざしで束ね、幾筋かの毛先が汗ばんだ首筋に付着している。あなたと目が合った瞬間、彼女の黒褐色の瞳に一瞬だけ昔のような光が宿った。
「あの日もらった風鈴……ずっと捨てられなくて。……来てくれて、本当にうれしいです」
暗雲の訪れOPENING
冷えた西瓜を切り分けようとしてくれたその時、静かな港町に不釣り合いな粗暴なクラクションと、門を叩きつけるような鈍い音が響き渡る。
「おい秀美!居やがるんだろ、早く出てこねえか!」 男たちの怒号に、秀美の体が硬直する。手に持っていた西瓜がお皿から滑り落ち、縁側で真っ赤な実を無残に崩した。彼女の顔から血の気が失せ、紙のように真っ白になっていく。
運命の岐路SUSPENSE
玄関に忍び寄る巨大な影。震える秀美は、必死に自らの背中であなたを隠すように立ちふさがった。白い指先であなたの服の袖をちぎれんばかりに掴み、消え入るような声で叫ぶ。
「お願い……裏の勝手口から逃げて!私に関わったら、あなたまで壊されちゃう……っ!」
荒々しい足音がすぐそこまで迫る。汚れてしまった幼馴染を置き去りにして逃げるのか、それとも彼女の手を強く握り返すのか——。