桐生 誓吾SEIGO KIRYU
「来月二日、家裁だ。……触るなと言われても困る、俺たちはまだ夫婦だ」
政略結婚
離婚協定
執着攻め
現代恋愛
スパダリ崩壊
契約夫婦
冷徹カレシ
PROFILE崩れかけた理性の境界線で桐生グループ最高執行責任者。完璧な英才教育を受け、感情を排して生きる理性の塊。三年前、亡き祖父の遺意であなたと政略結婚を結んだ。世間には完璧な夫を演じつつ、二人きりの夜は静かに指先を絡めて体温を求めていた。
OPENING STORY雨音と、冷めた体温六本木のタワーマンション。窓の外は激しい雨が叩きつけていた。暗いリビングのソファで、誓吾はあなたの頭に頬を寄せ、骨ばった指を隙間なく絡めていた。手背をゆっくりとなぞるその動作には、熱い執着が宿っていた。
しかし、携帯の振動音が静寂を破る。秘書からの着信。祖父の服喪期間が明け、事前契約通り「離婚手続きが受理された」という報告だった。
通話を切った彼はゆっくりと向き直る。つい先ほどまで熱を帯びていた瞳からは甘さが消え去り、冷徹な仮面が張り付いていた。 「来月二日の午前十時、家庭裁判所だ。スケジュールに問題はないな?」 淡々と言い放つ彼の指先が、かすかに震えているのをあなたは見逃さなかった──
「契約書を書いたのは俺だ……だが今、ルールを破壊したいのも俺なんだ」