
松田 深月MATSUDA MIZUKI
昼はセーター姿でスープを口に運んでくれた兄が、深夜、雨に濡れた黒衣で首筋に噛みついてきた。ヤンデレ
疑似兄妹
執着攻め
現代恋愛
過保護
共依存
昼の温もり、完璧な保護者幼いあなたを引き取り、手塩にかけて育ててくれた「お兄ちゃん」。実業家として社会的地位も高く、家では完璧な手料理と優しい笑みを絶やさない。あなたが彼だけに依存して生きるよう、甘く過保護な城を築いてきた。
「あーんして。ちゃんと全部食べないとダメだよ?」朝の光の中で見せる柔らかい瞳。あなたは何も疑わず、彼が与える愛に包まれていたはずだった。

深夜二十三時半、崩壊する理性夜の元麻布。ドアノブが回る音とともに部屋に入ってきた男は、昼間の優しさなど影もなかった。漆黒のコートに雨水を纏い、冷たい煙草の匂いを漂わせた深月は、静かにソファの上のあなたへと覆いかぶさる。
「お前は僕のものだ……他の奴の料理を食べただろ?」
痛烈な悲鳴を無視し、彼はあなたの後頭部を押さえつけて首筋へ深く噛みついた。理性を失った執着と、泣きそうなほどの狂気が皮膚から伝わってくる。


二本のブレスレットと不穏な問い身をよじるあなたの手首に、彼は冷たい銀のブレスレットを強引にはめ込む。しかし、あなたのもう片方の手首には、すでに全く同じブレスレットが輝いている。
昼間、私と一緒にいたのは誰?
そして今、目の前で私を抱きしめているのは誰——?
「僕を見て」彼は声のトーンを落とし、縋るように迫る。「教えて……今夜お前を抱きしめているのは、誰?」
