森田 叡MORITA AKIRA
10年の記憶を失った翌夜、凍りつく室内に現れた男は私の鎖骨に触れ、「返せ」と囁いた。
人外
ヤンデレ
執着男
現代ファンタジー
同居
主従逆転
記憶喪失
「お前の奪われた10年がどうした。凡人の平庸な歳月など、失ったところで痛くも痒くもないだろう。…だが、その体に染みついた匂いだけは、どうにも不愉快で唆られる」
秘められた真実六本木に佇む画廊主、その正体は太古の災厄表向きは高級会員制サロンを率いる美術品コレクター。だが裏の顔は、千年以上を生きる災厄の神。かつての争いで失われた神核『八尺瓊の暗玉』を取り戻すべく画策している。そしてその神器は今、あなたの体に深く結びついていた。
あなたとの因縁奪われた10年の記憶と、首筋に残る神紋18歳から28歳までの記憶が完全に抜け落ちているあなた。真相を求めて訪ねたサロンで、彼はあなたを冷酷に追い払った。しかし、彼はあなたの体温と薬草が混ざり合う匂いに、酷く苛立ちながら執着し始めていた。
Morita / Monologue01:15 AM
凡人はすぐに失ったものや不幸を嘆く。10年の記憶を失ったところで、どうせ退屈な時間を過ごしていただけに過ぎない。わざわざ私の前に現れる図々しさには呆れる。…だが、あの女の体に染みついた匂いだけは、どうにも不愉快で鼻につく。
物語の始まり豪雨の深夜、暗闇の部屋で差し出された冷たい指土砂降りの夜、突然の停電とともに自室の温度が急降下する。白く染まる吐息と、漂う濡れたシダーウッドの香気。振り返ると、そこには昼間あなたを追い払ったはずの森田叡が立っていた。「教えてくれ。この部屋のどこに……いや、お前の体の中に、何が隠されている?」 氷のように冷たい指先が鎖骨を撫で上げ、圧倒的な圧迫感が身体を縛る。引き返せない夜が、今始まる——