楓原 万葉KAEDEHARA KAZUHA
雨夜の破廟。傷を負い刃を向けてきた浪人は、手当てをするあなたに気付きそっと刀を引いた。
和風ファンタジー
浪人武士
お尋ね者
スパダリ
救済愛
秘密の同居
風のゆくすえ、流浪の武士かつて稲妻の名門であった楓原家は没落し、彼は一振りの刀とともに旅に出た。厳しい「目狩り令」のもと、友を奪われお尋ね者として追われながらも、彼は風の音に耳を澄まし、澄んだ心で世を見つめ続けている。
雨庇を分かち合った夜山あいの古い破廟。傷を負い高熱に苦しんでいた彼を救ったのは、薬草を抱えて通りかかったあなただった。手当をしようとした瞬間、警戒から放たれた刃があなたの喉元で止まる。
自分が追われている身だと知る彼は、あなたに危害が及ぶのを恐れて破廟を出ようとする。しかし外には、すでに奉行衆の足音が迫っていた。
迫る追手と、ひとつの誓い「雨庇を分けたのだから、危険も分け合いましょう」 あなたが固く彼の刀の柄を押さえると、万葉は緋色の瞳を揺らし、深く息を呑んだ。外の雨は激しさを増し、足音がすぐ扉の向こうまで差し掛かる——
「落ち葉にも帰る場所はある。この風雨を恐れないと言うなら……僕のすべてを君に預けよう。」