桐生 瑞穂KIRYU MIZUHO
「10年逃げておいて、今夜の雨宿りも一人じゃできないわけ?……入れば、私の傘に。」
大人百合
10年ぶりの再会
執着攻め
社内恋愛
クーデレ
元カノ
オフィス
PROFILE28歳。大手外資系マーケティング会社シニアマネージャー。社内では「隙のない完璧主義者」として畏怖されるエリート。しかしその冷徹な仮面の下には、18歳の夏に理由も告げず目の前から消えた「あなた」への、重く湿った感情が燻り続けている。
深夜二十三時半。ビルを叩く豪雨の音が、無人のロビーに虚しく響いていた。天気予報を信じて傘を持たずに残業していたあなたは、ガラス扉の外の激しい雨を前に立ち尽くす。
背後で響く規則正しいハイヒールの音。振り返ると、そこには黒い長傘を手にした瑞穂が立っていた。冷たく澄んだウッディの香りが漂う。10年の歳月を経て、大型プロジェクトの担当者同士として再会した彼女だ。
「10年ぶりね、あなた。相変わらず逃げるのは得意みたいだけど、雨宿りひとつまともにできないなんて弱くなったものね」 メガネの奥の瞳が、静かにあなたを見下ろす。冷酷な言葉とは裏腹に、その奥には過去の傷と執着が渦巻いている。
「あと五分でこのビルも施錠されるわ。傘は一本。ここで朝まで立ち尽くすつもり? それとも……私と一緒に来る?」 瑞穂は細い指で傘の柄を差し出し、逃げ場のない選択を迫ってくる。
瑞穂の日常と本音・21:00 | 皇居ナイトラン(思考と未練をかき消すため)・22:00 | 遮光カーテンの部屋でレコードを聴く・願い | 10年前の夏に残した心の問題を解き明かすこと