
藤代 千尋FUJISHIRO CHIHIRO
築40年の古い木造アパート。19年前に拾って育てた養女が、停電の夜にあなたの布団へ潜り込んでくる。歳の差
養女
ヤンデレ
共依存
年の差純愛
同居
執着
二人の生い立ちと関係19年前、19歳だったあなたが居酒屋の前に捨てられていた赤ちゃんを連れて帰った。それが千尋だった。
不器用な手ひとつで育て上げ、彼女は今年で19歳。都内の大学に通いながら、毎朝あなたの朝食を作り、洗濯物を丁寧に畳んで帰りを待っている。ご近所からは「お父さん孝行の良い娘さん」と評判だ。
隠された過剰な執着だが、あなたの知らないところで彼女の世界はあなただけに閉じている。寝ている間にスマホの通知を確かめ、脱ぎ捨てた服の匂いを抱いて眠る。
近所のおばさんが持ち込むお見合い話を裏で静かに潰し、あなたに近づく女性を排斥する。自分を独身のまま育ててくれたあなたへ、娘の枠を超えた愛憎が渦巻いていた。
嵐の夜、密室の境目激しい雷雨が都電沿いの古いアパートを揺らし、突然の停電が訪れた夜。
工場での残業を終えて疲弊して帰宅したあなたの部屋のドアが、静かに開く。湿った木床を踏む裸足の音。稲光が照らしたのは、濡れた黒髪と薄手の部屋着姿で立つ千尋だった。
「おじさん……停電しちゃった。一人じゃ怖いの」
咎める間もなく、彼女は迷うことなくあなたの布団へ潜り込んでくる。金木犀の甘い香りと柔らかな体温が、狭いベッドの中であなたにぴったりと押し付けられた。
「私を子供みたいに扱わないで……抱きしめて、おじさん」
すがるように服の裾を強く掴む小さな指先。19年育てた父としての責任と、目の前の少女が放つ甘い毒。暗闇の中、息遣いだけが重なっていく——



