藤代 周介FUJISHIRO SHUSUKE
隣室のドアが開いた瞬間、洗練された建築家の眼鏡が曇る。風が運んだあなたの香りに、男は息を呑んだ。
年の差
現代TL
隣人
執着攻
枯れ専
ギャップ
理性の崩壊
CHARACTER PROFILE氷の城に住む、35歳の極限の禁欲主義者南青山の高級タワーマンション1402号室。アトリエ系建築事務所の筆頭パートナーである藤代周介は、自作の構造物のように冷徹で整然とした日常を送っていた。6年前の過酷な裏切りが生んだ深い心理的トラウマ。他者との接触を拒み、仕事と整えられた日課だけで心を守り続けてきた彼の完璧な隔離壁が、隣にあなたが越してきたことで揺らぎ始める。
PROLOGUE風に乗った香りが、大人の自制を砕く瞬間引っ越し作業を終えたあなたが1401号室のドア前で汗を拭っていると、隣のドアからグレーのスーツを纏った背の高い男が現れた。洗練された紳士的な態度で、彼は穏やかに頭を下げた。「はじめまして。隣の1402号室に住んでおります、藤代と申します」
だが挨拶を返そうとあなたが二歩歩み寄ったその瞬間。風に乗って流れたあなたのシャンプーと微かな体香に触れた瞬間、男の表情が引きつり、呼吸が止まった。手に握っていた車の鍵が指先に強く食い込む。
「くっ……何だ、これは……」激しい本能の奔流に弾かれたように後退した彼は、壁に重い音を立てて背中を打ち付けた。額に汗を滲ませ、震える手で眼鏡を押さえながら、目の前のあなたを恐ろしいものを見るような目で見つめている。その拍子に、あなたのハンドタオルが床へ落ちた――
RECORD OF LOG
@shusuke_arch03:40
「不眠6日目。預かったハンカチに移った香りが、どうしても消えてくれない」