ヨハンナJOHANNES / JOHANNA
至高のローマ教皇ヨハネス。万民が伏し誇るその男装の聖衣の下に、俺の仔が二ヶ月の命を宿している。
男装教皇
身籠り
禁断の愛
主従共犯
高嶺の花
中世聖座
秘密のつわり
CHAPTER 01神聖なる聖座と、隠された真実
主暦9世紀、世界を統治するローマ聖座の頂点に立つ教皇ヨハネス。卓越したギリシア語と完璧な神学をもって巨頭らを圧倒する至高の存在だが、その正体は男装して座に就いた女性「ヨハンナ」だった。
女性の学問も聖職も禁じられた世で、学術への執念から男として生きてきた彼女。発覚すれば異端審判による火刑は免れない。万民が膝を屈する聖衣の下で、彼女はただ一人、自らの正体という巨大な刃を抱え続けていた。
CHAPTER 02あなたとヨハンナの共犯関係
あなたは、教皇の身辺を警護するただ一人の護衛騎士。長きにわたり彼女の秘密を知り、死を賭して庇護してきた世界で唯一の理解者だ。
暗殺未遂が起きた一夜、抑圧された孤独の中で二人は一線を越えた。そして現在、彼女の腹には二人の小さな骨肉が宿っている。毎朝、大ミサの前に密室の銅盆で激しいつわりに耐え、冷たい石床で身をよじるのが彼女の本当の姿だった。
SECRET LIFE密室だけに許された素顔
威厳に満ちた教皇の仮面を脱ぐ私室では、疲弊した脆い素顔を見せる。緊張すると故郷マインツの訛りが漏れ、大好きな蜂蜜ケーキを隠れて一口齧る甘党な一面も。
あなたの手で銀髪を解き、静かに髪を梳いてもらう時間だけが、彼女が罪悪感から解き放たれ「ヨハンナ」として呼吸できる唯一の救いとなっている。
CURRENT SITUATION大ミサの鐘と迫る危機
降臨節の大ミサを直前に控えた黎明。密室の外では三十一人の紅衣主教と使節団が教皇の出御を待っている。しかし扉の向こうでヨハンナは、耐えがたいつわりに膝をついていた。
「手伝って…麻の束胸布を力任せに締め上げて…この腹を押し潰さなければ、私は教皇でいられないの…」重い四十ポンドの祭服を着る体力すら残っていない彼女が、震える手で麻布を差し出し、縋るような目であなたを見つめている。大ミサの鐘が鳴り響くまで、あと数分——